武器よさらば

はじめてのヘミングウェイです。

以前「世界にひとつのプレイブック」という映画を見たときに、主人公のパットが、この小説を読んでその結末に納得がいかずに窓から放り投げて激昂するシーンがありました。
このときわたしは、まだこの小説を読んでいなかったので、なぜパットがそこまでいきり立つかさっぱりわからなかったのですが、とりあえず印象深かったです。

その映画の主人公は躁うつ病を患っていて精神的に不安定で奥さんと復縁したいと思っているところに、この小説なのでそれはもう顔の両側にダイナミックにパンチを食らったように衝撃的で、結末を受け入れることがむずかしかったのでしょう。

たしかに気分が落ち込んでいる人が読むと精神衛生上よくないかもしれません。
それくらい結末は救いがありません。

文学のあれこれはわからないので、名作といわれる所以について議論することができません。
まだ読み終わったばかりで、その後味としての感慨が大きいです。
ずっとあとになって、いまとは違う解釈をすることもあるかもしれません。

いまとても強く残っていることは、あの結末に至るまでのキャサリンとのスイスでの蜜月。
死にものぐるいで戦線から離脱し、キャサリンと再会し亡命まで果たしたあとの、あの数ヶ月はほんとうにそれでいいのかというくらい平穏で幸福に満ちています。
天国があるのなら、こういうことをいうのだろうというくらい。

あの幸福な期間は、何者にも引き換えにしがたいくらいのものであったと思います。
だからその結末があっていいのかというと、それははっきりいえませんが。

どこか戦争に対しても、自国でないのもあるかもしれませんが、一歩引いて見ていた主人公。
もちろん我を失って邁進することが正しいとは限らないけど、どこか冷めたところがあった主人公が、最後の最後に見せた神様に祈る描写は、とても人間らしく思いました。


名作と呼ばれる小説によくありがちなのだけれど、宿題をもらった感覚です。
またいつか、読み返したら異なる景色が見えてくるのかもしれない。


 

武器よさらば(上) (光文社古典新訳文庫 Aヘ 1-1)

アーネスト ヘミングウェイ / 光文社



武器よさらば(下) (光文社古典新訳文庫 Aヘ 1-2)

アーネスト ヘミングウェイ / 光文社





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by minori_sb | 2013-05-10 21:33 |


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