アンナ・カレーニナ1

映画「アンナ・カレーニナ」も見たので、久しぶりに原作を読み返してみることにしました。
読むのは2回目になります。

とにかくこの小説、ものすごく分厚いのですが読みやすい!
わたしは光文社古典新訳文庫の望月哲男さんの翻訳でしか読んだことがないので比較ができないのですが、少なくとも望月哲男さんの訳はとても読みやすいです。
量は半端なく多いのでやっぱり時間はかかりますが、スイスイと読み進められます。
ロシア文学、トルストイと尻込みせずに読んでもらいたいお薦めの本です。

1回目に読んだときと、やっぱり印象とか読んだ感触は変わりますね。
特に今回感じたのは2点です。

1点目は、これはもう映画の影響力が120%なのですが、カレーニン氏に対する評価がガラリと変わったことです。
初読のときは、ミノリはアンナもそんなに好きではなかったのですがカレーニン氏にもまったく同情していませんでした。
つまらない家庭を顧みない仕事人間、という印象です。

しかし、今回映画のカレーニン氏がミノリ的にはとっても好印象だったので(ラストの椅子に座っているところでもう胸キュン!になってしまいました)、全体的に前回より親和的に捉えることになりました。
いやあ、映画の影響力って馬鹿にならない!(笑)

たしかにこのカレーニン氏、仕事一辺倒であんまり家庭や奥さんに目を向けられていないところもありますが、でもじゃあ奥さんや息子を放ったらかしかといえばそうでもなく、アンナがモスクワから帰ってきたときは仕事の合間をぬって駅まで迎えに行っているし、奥さんがいないとやっぱり寂しいなあと自分の気持ちも言っているし、オブロンスキ―氏みたいに浮気をするでなし、やや家庭に感情を向けられていない、思考への偏りが強く感情が鈍い節はありますが、アンナがこき下ろすほどひどい旦那さんかといえばそうでもないんじゃない、と思ってしまいました。
アンナとヴロンスキ―の関係が明るみに出てからの逃げの姿勢は彼にとって試練から逃げているみたいなもんですが、ある意味それは彼にとってこれまでの生き方の改変を求められているのであり、逆に頑張れと応援したくなってきました。

つくづく思うのは、アンナがモスクワに行き、ヴロンスキ―と運命的な出会いを果たすまで、このカレーニン一家は特に問題のない家庭だったのですね。
いや、むしろ当時のロシアの貴族社会ではかなりうまくいっているほうの家庭だったのではないでしょうか。
でも、ドリーがいうように、「何か嘘くさいものがあった」のでしょうね。
どこかうわべだけのところがあったのかもしれません。
アンナもカレーニン氏も気づいていないところで。
それが、アンナのヴロンスキ―との出会いで劇的にかき混ぜられ深いところまでえぐられていく。
一度深い闇の底を覗いてしまったら、もとのうわべだけの世界では生きていけない。
そこからどんなふうに生きていくかは、人それぞれ違うのでしょうけれど。

2点目は、アンナへの印象がすこし、前回よりは彼女に寄り添うことができたことです。
前回は、まだいまよりはミノリもすこーし若かったので、アンナの心情がどうしても理解できませんでした。
でも今回改めて読んでみて、言葉ではうまく説明できない気持ちが、そうせざるを得なくなってしまった展開を受け入れることができました。

たしかにアンナは魅力的な女性です。
好きかといわれれば、同性としては首を捻ってしまいそうですが。
ボヴァリー夫人のエンマにも通じるところがあるのかなあ。
アンナのほうが、より高尚な感じはしますけど。

まだ1巻目。
苦難はこれからですね。


 


今回紹介した本はこちら。

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

レフ・ニコラエヴィチ トルストイ / 光文社



ちょっとボヴァリー夫人についても触れたので。

ボヴァリー夫人 (新潮文庫)

フローベール / 新潮社





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by minori_sb | 2013-05-17 18:54 |


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