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自分で一手を選ぶこと --3月のライオン 後編

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いろんな家族が出てきて、後編のテーマは“家族”だったように思います。
川本家のために奔走する零くんは、原作よりもさらに空回り(笑)。
でも一所懸命だからこそ格好悪い姿は、逆説的に素敵だなと思います。

川本家の幸せの象徴が食事のシーンに凝縮されていると思うのですが、原作でも何度も登場する食事のシーン、気取らなくて、庶民的で、でもとても温かくて、とても好きです。
零くんが言っているように、ひなちゃんを形作ってきたのはあの食卓からなんですよね。 



零くんが、嘘をついた(生きるために将棋を選んだ)お葬式でのシーン。
彼はそもそもの始まりを嘘から始めたことに、ずっと罪悪感を抱いてきたように思う。
将棋が好きで好きでたまらなくてやっている人、物心ついたときから将棋が当たり前にあった人、そんな人たちから比較すると、零くんが将棋を選んだ理由は生きるためで、だからこそそこに全霊を注がないと文字通り生きてはいけないわけで、前者の人たちからすれば一見不純な動機から始めたのに、その人たちより強くなっていく、でもそれがすごく嬉しいとかモチベーションの理由にはならない。
きっと後ろめたさもあったのではないか。


その零くんが、いろんな人と出会うなかで、将棋で、将棋以外の世界を通して、改めて自分にとっての将棋を見出していく。
着物の仕立てをしているときに、幸田のお父さんから「お前はやっぱり将棋が好きなんだな」といった内容を言われて、零くんがすっきりとした顔で「はい」と言えるようになるまでに、きっとたくさんの葛藤があったのだろうと思います。
そこまで続けられたことは、必死だったのもあるし、できるだけの才能もあったからだし、それらをひっくるめての”好き”なんだろうなあ。

彼がついた嘘は、“好き”や“嫌い”の二者択一で決められる単純なことではなかったのだろうと思う。
抗いがたい方向性に引き寄せられた、といったらいいのだろうか。香子が「もしうちが将棋の家じゃなかったら」とifを父親に投げかけていて、でも将棋の家に生まれた自分として生きないといけないように。
あんなに陽だまりのような川本家でも、誠二郎さんという父親の存在は消せないように。

ただ抗いがたい大きな流れはあるけれど、そのなかで自分がどんな選択をしていくのか、幸田のお父さんの言い方にすれば“次の一手をどう指すか”、それはその人に委ねられている。
零くんは嘘をついたが、見方を変えるとあのとき自分で自分の身の振り方を決めたのだ。
これって実はすごいことじゃないかと思う。




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by minori_sb | 2017-05-06 07:19 | 映画


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