現実的な子供たち --メアリと魔女の花

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スタジオポノック第1回長編作品。
米林さんはアリエッティもマーニーも映画館で観ました。
マーニーで冒頭のアンナのセリフで、ぐわっと心臓を鷲掴みにされました。
孤独をこんな一瞬で表現できるのかと。
というわけで、メアリもとっても期待しながら観にいきました。

米林監督は、やっぱり少女の描き方が天下一品です。
そして、杉咲花ちゃん演じるメアリがまたぴったり。かわいい〜!
密かに神木隆之介くんが、「君の名は。」「3月のライオン」と昨年からわたしが観た映画に立て続けに出演されていることに気がつきました。すごい人気ですね。(すみません、やっと名前覚えました。すみません。名前覚えるの苦手なんです、すみません)


スタジオジブリのメンバーが解散して残念だなあと思っていたのですが(宮崎駿さんまたつくられるみたいですが)、こうやってスタジオポノックとしてまたアニメをつくられて、とても嬉しいなあと思います。
個人的には宮崎吾朗さんの作品もとても好きなので、駿さんがまたつくられるのなら、吾郎さんもつくってくれないかなあと素人ながら勝手に思います。
アニメをつくるってほんとうに大変ですけどね。

ああ、話が逸れました。
今回はメアリのお話です。








原作本は読んでいないので、単純に映画だけの感想です。


映画は、無邪気さと爽やかさと、メアリの「好奇心旺盛で天真爛漫」って言葉がほんとうにぴったり。
なんというんだろう、物語は魔女や魔法が出てくるんだけど、メアリもピーターも魔法を必要としないとっても現実的な子どもだなあと思いました。
つまり、健康的にファンタジーの世界を楽しみながら、でも現実に帰ってこれる。

魔法の花を使うと、一晩だけ魔法を使える。
メアリは何をやってもうまくいかないのに、魔法学校へ行くと、天才と賞賛されます。
メアリもまあ褒められると悪い気はしないので、良い気分にはなっています。
でも、ちゃんと家に帰ることを考えているというか、自分の万能感に酔いしれない。
家に帰ってきて、大叔母さんに抱きついて、「やっぱり我が家がいちばん」と言える。
願書を見ながら回想して、「もう行きっこないのに」と笑っています。

ピーターはピーターで、変身の魔法で大人になれたら「母さんを楽にしてあげられる」と言います。
このセリフや、新聞配達をしている、休暇でも遊びにいかないところから、ピーターの家は母子家庭なのかな、家庭がしんどいのかなと想像されます。
でも、魔法で楽にしてあげるんじゃないんですよね。
魔法があったらなんでもできる、じゃない。
これまた万能感にいかないのです。


これに比べると、大人たち(マダムやドクター)のほうが、まあなんと欲にまみれた人たちのことか。


メアリは、日常をワクワクとさせる冒険的なファンタジーは欲しいけれど、魔法のファンタジーは必要とはしていないんですね。
両親は仕事で忙しい、休暇が終わるまでの友だちのいない知り合いもいない土地での退屈な日々。
そこでは万能的な魔法ではなくて、誰かの役に立ちたいとか、遊べる友だちが欲しいとか、そういう一見なんでもない当たり前のことの方がメアリにとって価値が高い。

また、自分の赤毛が嫌だなあと思いながら、例えば赤毛のアンのアン・シャーリーみたいに赤毛じゃない自分を想像したりはしない。
赤毛は嫌だし、こういう自分が変わりたいとも思う、でもそうなれないからこういう私でやっていくしかないと思っている。



なんといったらいいんだろう。
なんて地に足ついた子どもたちなんだと思います。
だからこそ、彼らは青い花の魅力にも溺れずに、魔法を解くことができたのです。

「魔法なんていらない」
彼らは魔法を必要としないんです。

ちょっと飛躍しすぎかもしれないけれど、もう物質的に恵まれすぎている現代の子どもたちはそうなのかもしれない、と思いました。
まあ、メアリもピーターも「思い出のマーニー」のアンナやマーニーみたいにトラウマを負わない子どもなのもあるかもしれないけれど(そしてそれって、ものすごく幸福なことなんだけれど)。
ほんとうの豊かさや充実感は魔法では得られないし、子どもたちはそんなものは望んでいない。それよりももっと素朴な、誰かの役に立っていたり、ぎゅーっと抱きしめて温かさを感じたり、おいしいごはんを一緒に食べる人がいたり、ワクワクするような遊びをできる友だちがいたり、そういう何気ないことのほうがずっとずっと大切なのだろうなあと思いました。


メアリもピーターも、きっと大人になったら(いや、大人になる前かもしれない)、この時の出来事は忘れてしまいそうです。
遠い夢みたいな感覚になりそう。
それでいながら、彼らのなかには、このときのことはちゃんと彼らのなかに居場所を作って残っていくんだろうなとも思います。
宝箱の中に、宝物がしまわれるように。
子ども時代という宝箱にそういったキラキラとした思い出の宝物をどれだけ詰められるかが、とても大切なのかもしれません。








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by minori_sb | 2017-07-22 07:00 | 映画


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