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2017年 06月 24日 ( 1 )

出会ってしまった人 --バッテリーⅥ

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のんびりと最終巻までこぎつけました。
さっき過去ログを探していたら、なんと3巻から5巻まで感想を書いていなかったらしい。
いきなり最終巻の感想です。
原作も10年近くかかって刊行されていたんですね。 

きっと年代を違えて読んだら、感想は異なっただろうなと思います。
もし十代の、巧くんたちと同じ年代で読んだら、ただただ原田巧という人の凄さと格好よさに圧倒されたかもしれません。
巧くんは、とても格好いいです。
ひたむきに努力することを当たり前だと思っているところも、野球をやるために生まれてきたかのような才能も、不器用で言葉が足りないところも、たまに枠を外れてふざけて周りから驚かれるところも。 


でも、この作品のなかで気になったのは、豪くんや瑞垣くんですね。
このふたり立ち位置がそれぞれに“自分のすぐそばにものすごい天才がいて才能の差を嫌でも感じる”ポジションです。

この“すぐそばに”がポイント。
ちょっと距離感があると「あいつはすげえよなあ」で終わるのに、なまじ距離感が近い分、嫌でもいろんな思いを味わってしまう。

しかも、当人(巧や秀吾)は優越感なんか全くなくむしろ人間的には頼ってくる。
そりゃあ瑞垣くんみたいに中3にして人生悟って冷やかしたくもなりますよ。
本気でやればやるほど自分の劣等感をますます刺激されるわけですから。 


それでもこの作品のすごいところは、そこで最後の試合のそのためだけに、いかにみんなを本気にさせるかに、集約させていったところだと思います。
非公式の、卒業したメンバーも含めた練習試合。ただその一試合、一瞬のためにいろんな人が思いをそこへ投入していった。
「いま、ここ」がすべて。 

豪くんは序盤のあの屈託ないお人好しそうなところから、変わったなあと思います。

「こいつと出会ったことが良かったのか悪かったのか、囚われてしまったことが幸運なのか不運なのか、答えを出すことなど無意味なのだ。今はただ、ともに生きる。それで充分だ」(バッテリーⅥ P290) 


出会わなければ良かったのだろうか、とifを考えても答えは出ない。
出会ってしまった。
しかも、もう別れのときまで想定している。

出会ってしまったから、漠然とした未来から明確な自分の限界を感じてしまった。
これは辛い現実です。
それでも、とにかくこの一瞬だけは全力を注ごうと決めて挑んでいる。 
最後の一瞬まで、気が抜けず読み進めてしまいました。


ちなみに、個人的には吉貞くんが好きでした。ちゃんと自分の能力も知りながら、基本お調子者だけど、でも思いのほか冷静に周りを見ている。いやあ、彼は大物です。意外とこういうタイプが大成するのかもしれない。



▽1巻と2巻の感想

by minori_sb | 2017-06-24 07:30 |


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by minori

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