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梅田駅アンダーワールド --3時のアッコちゃん

3時のアッコちゃん

柚木 麻子/双葉社

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アッコちゃんシリーズ第2弾。
実は、この「3時のアッコちゃん」を最初に読みました。


「天然生活」という雑誌に作者の柚木麻子さんが寄稿されていて、そこにこの本が取り上げられていました。
記事には「会議に英国式ティータイムを取り入れる」「ヴィクトリアケーキ」のキーワードがあって、俄然興味が湧いてきました。
高校生のころから英国式ティータイムに憧れを抱いていたわたしとしては、このキーワードに反応しないわけにはいきません。
作者の柚木麻子さんの本も、「本屋さんのダイアナ」以降何冊か読んでいていま気になる小説家さんのひとりです。
柚木さんの描かれる物語は、手の込んだものからジャンクなものまで、とにかく食べ物の描写がいつもおいしそう。


英国式ティータイム会議のお話も面白かったし、アッコさんのキャラはとても個性的。
働く(働こうとする)女性に焦点を当てたストーリーは、どれもそれぞれにうんうんと頷くところがありました。


しかしあえてどれかひとつを選ぶとしたら、それはもう第4話の「梅田駅アンダーワールド」しかないでしょう。
就活時代、受けては落とされ、受ける企業によって自分の価値観をそのたびにカスタマイズして、何度も面接で失敗して、自分は実際のところなにがやりたいんだろうと自問自答する日々。
わたしは、遠征はしたことがないのですが、佐江の心境ってとてもリアルです。


しかし、それはいいんです。(いいのか!?)

こんなに梅田駅がワンダーランドのように描写されていることが、なんというかもう感無量です。
阪急電車も地元民として愛着がありますが、阪急梅田駅をキングス・クロス駅に喩えるなんて考えたこともなかった。
梅田のあのごちゃごちゃした地下世界をこんなに面白おかしく、摩訶不思議に、そして愛情を持って描いてくれてありがとう。
そんな気持ちでいっぱいです。


ちなみにわたしは通学と通勤で梅田駅を利用するようになってから、ようやく、ようやくあの梅田のごちゃごちゃした地下世界がすこしわかるようになりました。
方向感覚はないので、地図じゃなくて『こっちにいけばあっちに繋がる』とかそういうふうに理解しています。
おかげでたまに飲み会でマップを使うと、わけがわからなくなります。
『現在地からJRへ行くにはどのルートが最短なんだろう』とか考えるのも大変です。
わたしにとってほんとうに巨大ラビリンスです。

阪神百貨店の前(佐江ちゃんがどっちに行ったらいいんだろうと、迷ったところ)のあたりは人が恐ろしく入り乱れていて、慣れないときは吐きそうになりました。
地元民でも普段から利用していないとわけがわかりません。動く歩道は止まりません。歩くんです。(物語には関係ないけど、わかる人にはわかるだろう)とか、語りだすと止まらなくなるあたり、やっぱりわたしも地元が好きなのだなあと思いました。
これを読んで梅田へ行くと、とっても面白いと思います。(独断と偏見で)おすすめです!(笑)




by minori_sb | 2017-01-28 07:50 |

食べることは生きること --ランチのアッコちゃん

今回から3回に渡って、柚木麻子さんのアッコちゃんシリーズを取り上げたいと思います。


アッコちゃんシリーズは、1作目の「ランチのアッコちゃん」からはじまり、2作目の「3時のアッコちゃん」、そして3作目が「幹事のアッコちゃん」です。
今回は1作目の「ランチのアッコちゃん」。


裏の見出しに“ビタミン小説”と書いてあるけれど、まさしくこれは“ビタミン小説”です。
読むほどにかたくなっていたこころが解きほぐれていきます。


アッコさんのキャラクターの強さもさることながら、おいしそうなごはんの描写、それを食べる人たちの息づかい。
ほんのすこしなにかが加わっただけで、こんなにも世界は彩りを増すのだと伝わってきます。


ある看護師さんの言葉。一人で食事をするより、誰かと一緒に食べた方が長生きする。

「誰かと一緒に食事する時って、品数が増えることが多いし、温かい汁物も一緒にとるようになるじゃない。だから、消化が良くなるの。時間をかけてゆっくり食べるようになるでしょう。自然とよく噛むようになるから食べ過ぎなくて済む。いいこと尽くめよ」(第二部 夜食のアッコちゃん)


誰かと一緒に食事するからといって、これが満たされるとは限りません。
でも、できることなら、こういういいこと尽くめの食事を、できるだけたくさんとれるようになりたいですね。

ちなみにひとりでも(わたしはひとりで外食するのも好きです)、こういう心持ちで食事できたらいいなと思います。
ただ胃に詰め込むのではなく、目の前に誰もいなくても、目の前の食事を味わう。
作ってくれた人(料理や食材、いきものたち)に感謝する。



食べることは生きること、はわたしのなかでもテーマなのですが、柚木麻子さんはほんとうにこのテーマを扱うとうまいなあと思います。




by minori_sb | 2017-01-25 07:29 |

さつまいもの蒸しパンと焼き芋を間違えるとはなんたることか。


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久しぶりにお菓子の話。

さつまいもの蒸しパンをつくりました。
ふわふわしていて、生地にもさつまいもが練りこんであって、もちろん角切りさつまいももブレンドしていて、さつまいもと蒸しパンの見事な共同作業です。
蒸しパンは久しぶりにつくったのですが、うむうむ、満足いく出来でした。



ここでふたつポイントがあります。

  1. 我が家では蒸しパンはつくられたことがほとんどない。
  2. にも関わらず今回蒸しパンをなぜかつくった。


蒸しパンと母に関係があります。


  1. 我が家では蒸しパンはつくられたことがほとんどない。
 なぜならば、うちの母上が蒸しパンを好きではないからです。
 同様にシフォンケーキも母上があまり好まないので、わたしがどうしてもシフォンケーキを食べたくならない限りはつくらないようにしています。
 わたしも蒸しパンが好きで好きでたまらないほど蒸しパン至上主義ではないので(世の中の蒸しパン至上主義の人ごめんなさい。謝ることかわからないけど)、我が家では実は蒸しパンをつくるのはこれでなんと2回目です。


2. にも関わらず今回蒸しパンをなぜかつくった。

 先日、母がテレビを見ながら「さつまいもの蒸しパンが食べたいわー」と言いました。
 ええ、あの人の口から蒸しパンを食べたいなんて言葉が出てくるなんて! わたしは念のため確認しましたとも。
 確かに蒸しパンを食べたいと言ったのです。
 ちょうど家には伯父から送ってきた自家栽培のさつまいもがありました。
 ならばつくったろうじゃないかと、10年ぶりくらいに蒸しパンに挑戦したのでした。



久しぶりにつくったお手製の蒸しパンは、ホットケーキミックスも使わずにさつまいもも練りこんで、我ながらの自信作です。
これからは我が家でも蒸しパンが登場するのね、とウキウキとします。
蒸しパンは朝食に、ちょっと小腹が空いたときのおやつに、ちょうど良いですから。


しかし、帰宅して母上に感想を求めたところ、どうも色ないお返事。
食べたいと言っていた割に、なんだけそっけない。

私「さつまいもの蒸しパンが食べたいって言ったからつくったのに!」
母「そんなこと言ってないわよ。わたしが食べたいのはあれよ、さつまいもを焼いたやつ」

それはもしや焼き芋ですか!!!!??



蒸しパンと焼き芋って全然似ていないんですけど。
まあまあ、母の勘違いで久方ぶりに自家製蒸しパンが食べられて良かったです。
母は相変わらず蒸しパンを好まないようなんですが、さつまいもの蒸しパンはとても優しい味だったので、これに懲りずにまたつくってみたいと思いまーす。





by minori_sb | 2017-01-14 07:23 | お菓子

恐怖と暴力性の追求 --バイオハザード:ザ・ファイナル


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わたしは割と穏やかなものが好きです。
ふんわりと柔らかいもの、温かみのあるものを好みます。
急ぐこと、都会的なものより、ゆっくりなこと、自然に近いものを選びます。


そんなわたしですが、実はアクションものは結構好きなのです。
甘いラヴストーリーより、殺伐としたアクションが好き。
きっと自分のなかにある暴力性や攻撃性をそういうところで発散させているのだろうと思います。


というわけで、バイオハザードは1作目から全部観ていました。
たぶん3作目だけ劇場版を見逃しましたが、あとは全部映画館で観ています。

もともとバイオハザードは、ゲームから入っています。
兄がしていたものをわたしもしました。
1、2、3、コードベロニカ、4までして、それ以降はハードが変わって追いかけられていません。
映画もゲームも長いですよね。
バイオハザードは恐怖を売りにしています。
ゲームの1の、あの扉を開けた先になにがあるのかわからない臨場感溢れるドキドキは、当時画期的なものでした。
わたしは、ホラーは嫌いなので、そういう恐怖のようなスリル感は求めていないのですが、ドキドキしながらも、ゾンビをやっつけていく爽快感はありました。
背景にあるストーリーも、どうなっていくのかなとか、キャラクターの魅力もありました。 



映画版バイオハザードを観続けてきたのは、そういうちょっとしたスリルの疑似体験をしたいのと、自分のなかにある暴力性を昇華させるのと、あとはミラがとても格好良くてどんな結末へ向かうのか追いかけたかったからです。
最初から最後までミラは華麗で格好良かった!
色々ありますが、ひとまずは区切りをつけられて良かったなあと思います。 



↓以下ネタバレ




1でハイブで始まって、ラクーンシティに戻ってきてハイブで終わるのは割とすっきりしていて良かった。
アイザック博士を誰?と思ってしまった。すみません、ラスボスなのに…(年月が長すぎてストーリーを忘れている)
ローラも格好良かったです。絶対数で人間のほうが少ないのだからあれだけでも貢献していると思う!(確かに出番は少ないけど!けど!)
クレアがシリーズ通して最後まで活躍してくれたのは嬉しかった。
そして、アリシアがミラのお嬢さんと知ってびっくり! これ以上ないくらいハマリ役ですね。
ウェスカーの存在価値がびっくりするほどあっけなくなりました。でもあの人はそれくらいでちょうどいい(失礼)

個人的に1、2がとても好きだったので、また観返してみたいです。



▽映画「バイオハザード:ザ・ファイナル」公式サイト
▽予告編



by minori_sb | 2017-01-11 07:45 | 映画

ムスビ、多義性 --小説 君の名は。


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わたしが映画を観たのは9月。
当時から話題になっていましたが、こんなにヒットするとは思っていませんでした。
わたしの周りでも、話題性につられて観にいった人が何人かいます。 



監督の書いた小説ということで、気になって読んでみることにしました。 


ひと言で言うと、これは「君の名は。」というエンターテイメントのひとつです。
映画も、RADWIMPSさんの音楽も、小説も、全部ひっくるめて「君の名は。」を構成している。
小説は映画をそのまま文章化した要素がはじめは強いけれど、途中から新海さんの色が出てくる。
そこにはRADWIMPSの音楽の要素も盛り込まれていて、きっといろんな色が溶け合って、映像のなかでは見せられない言葉だからこそ描ける描写を織り込んでいる。


読んでいると、映画のシーンを思い浮かべるし、音楽も聞こえてくるようだし、きっと小説を読み終わってから映画を観たら、以前観たときと違った心情で観ることになるだろう。
新たな発見をすると思う。 



映画の時には“境界”を強く意識したのですが、小説を読んで今度は“ムスビ”という言葉が引っかかってきました。
ああ、これはムスビの物語でもあるのだ。

一葉おばあちゃんが、瀧くん三葉と四葉ちゃんに話してあげるところです。

「糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間が流れることもムスビ、ぜんぶ、同じ言葉を使う。それは神さまの呼び名であり、神さまの力や。ワシらの作る組紐も、神さまの技、時間の流れそのものを顕しとる」
「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それが組紐。それが時間。それが、ムスビ」
(小説 君の名は。 P88)



瀧くんと三葉ちゃんはムスビのなかで出会った。
そして、後半に瀧くんが行ったことは、ムスビの絡まりを解き、また繋げ直すことだった。
そしておそらくそれができたのは、ムスビの神さまにいちばん近いところ(境界)に場所と時間、三葉という存在、すべての条件が揃ったから。



映画を観たときよりも、一歩違った視点が見えてきて、おお! と思いました。新たな発見です。 
名前というのも面白いですよね。名前は、言霊です。
名前はそれだけで強い力がある。
ハリー・ポッターで、名前を呼ぶだけでも恐ろしいといったように、名前を知るということは、その人を知ること、その人の魂に触れることです。



改めて、なぜ「君の名は。」が社会現象になるくらいヒットしたのか考えてみました。

きっといろいろあると思います。
写真のように、それ以上に綺麗な背景。突拍子もない設定。映画を彩る音楽。
マスコミで取り上げられていることって主にこの3点だと思います。


しかし、わたしが思うこの作品の魅力って、解釈の多義性だと思います。

例えば上記3点もそうだけれど、いろいろなところに人を魅了する要素が盛り込まれている。
話の内容そのものも掘り下げていくといろんなところに潜り込んでいけるし、音楽を楽しんでもいい、美しい背景に魅了されても良い。
つまり幅が広いのです。
宮崎駿さんの「千と千尋の神隠し」にも通じるところがあると思う。千と千尋も多義性のある作品です。
だからこそ世界中で受け入れられたのだと思う。


イメージの奥深さ。
こんこんと突き詰めていくと共通項のような普遍性が浮かび上がってくるけれど、その前にあるのは多義性です。



▽映画の感想はこちらです。






by minori_sb | 2017-01-07 07:35 |

2017年のご挨拶


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あけましておめでとうございます。


またしてもすっかりご無沙汰してしまいました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


今年はもう少し細く長く記事をたくさん書いていきたいです。
お菓子づくりの熱はなんだか前よりも冷めてきたので、本の記事が多くなるかもしれません。
つくりたいという思いがなくなったわけではないのです。
前はお菓子をつくらなきゃーと半ば義務感に駆られていたところもあったので、ひとつひとつ丁寧につくっていきたいなあ。


そうです。
やわらかく、ていねいに。そしてしなやかに。
昨年できたわたしのモットーです。
日々の生活の、仕事の、プライベートの、意識の届くところすみずみまで、そういう心持ちでいろんな物事と、人と、自分と、向き合っていきたいのです。
忙しい世の中だからこそ、ゆっくりと時間をかけて。


このブログも、そのために続けていきます。



新年は今年も北野天満宮へ初詣に行ってきました。
毎年の恒例です。
今年は酉年ですね。
鳥のように羽ばたいて、ときには羽を休ませて、ゆっくりと卵を温めて、巣からなにかが孵るような、そんな一年になりますように。



日々いろいろなことがありますが、トータルで見たらまあ良かったなあと思える1年となりますように。





by minori_sb | 2017-01-04 08:41 | ごあいさつ


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